< 平成6年 新年・冬・春 >
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ゆつくりと脱ぐ人日の夜の喪服 (佐藤一成氏1月3日逝去)
戻りたる初荷の一人酔ひ潰れ (神戸にて勤務時代回顧)
藤枯れて空の青さを纏ひけり (志摩市横山展望台)
冬椿伊勢の海原波見えず 〃
寝転んでみれば枯芝あたたかし 〃
寒月にかざして束の鍵を選る
雪明り地にひく影のなかりけり
滝凍てて昨夜の刻を留めけり
シクラメン買つて二人で暮らし初む (伊勢市宮町駅裏)
恋猫の戻りて眠るばかりなり
梅三分塵芥を出すべく早起す
春の蝿猫に食はれてしまひけり
白木蓮明けの光を独り占め (伊勢市常磐)
白木蓮のぐうちよきぱあと咲き進む 〃
花の下老い母がゐて妹とゐて ( 〃 宮川堤)
さりげなく花冷えの襟直さるる 〃
ふらここの夜は淋しき人が乗る (伊勢市今社公園)
雑木山芽吹きて暮色さだまらず ( 〃 蓮随山)
落椿とはならず錆びゐたりけり ( 〃 NTT前)
踏切の鳴つて遠足列乱す ( 〃 宮町踏切)
石鹸玉ひとつ消えてはひとつ吹く
石鹸玉ぶつかり消ゆる妹の胸
石鹸玉空にでて彩失へり









