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< 平成 4年 新年・冬・春 >

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          元日のはや夕暮の無精髭
          雨降りしことが話題の六日かな


  あかるさの過ぎるはさみし枯野道   (伊勢平野)
  汽車過ぎて後は枯野に動きなし       〃
  乙女らのコート短し足長し        (愛知県 名古屋駅前)
  暖房や講演睡き後部席         (伊勢商工会議所)
  湯たんぽの熱かりし母若かりし  
  良き日らし母かろやかに葱きざむ
  母につく小さな嘘や冬苺


         立春の夕日つれなく沈みけり
         春愁のぱらぱらめくる週刊誌
         潜くよりほかにすべなき残る鴨   (伊勢神宮外宮 勾玉池)
         春氷打ちし小石を弾きたる         〃
         水温む町家の裏の五十鈴川    (伊勢神宮内宮 おはらい町)            
         春潮で濯ぐ鮑を頬張れり       (三重県志摩)
         時々は声かけあつて汐干狩り    (伊勢市一色町)
         桃咲くや奥伊勢の野のとのぐもり
         鴨引きし勾玉池の広さかな     (伊勢神宮外宮 勾玉池)
         杜影の暗し動かぬ春の鴨         〃


         平凡なニュースばかりの春炬燵
         落椿池に流れのありにけり      (伊勢神宮外宮 勾玉池)
         大木の椿落ちたる修羅場かな       〃           
         菜の花や誰も通らぬ歩道橋      (三重県度会郡度会)
         水の辺に人寄り集ふ桜かな      (伊勢市 宮川堤)
         浮かれ世の花咲けば人群れにけり      〃
         花の夜の更けて眠れぬ孤独かな
         白蝶の頭に舞ふごとき睡魔かな

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