< 平成6年 秋・冬 >
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秋めくや泳ぎて二人だけの海 (伊勢市二見ヶ浦)
浦里の堤防高き九月かな (伊勢市大湊)
木槿咲き朝な移ろふ海の色 〃
赤とんぼ昔子供は群れ遊び
夢に彩あり行き行けど曼珠沙華
やや寒や妹留守の夜の化粧台
踏切にとどまればそこかしこに秋 (伊勢市宮町)
十六夜の北に闇なす天城山 (静岡県伊豆)
十六夜や伊豆に悲しき恋の唄 〃
野分後の庭の散葉は一日置く
曼珠沙華消えて再び只の道 (伊勢市郊外)
白壁の内の人声金木犀 (愛知県岡崎市内)
ペン先の掠れてきたる夜寒かな
コスモスを活けて形の定まらず
昼過ぎてリュックの軽し芒挿す (三重県青山高原)
秋草に跼めば妹も来てかがむ 〃
伊勢平野明るく広く秋高し 〃
幼ぶる楽しさ芒打ち振れる 〃
蓑虫の揺れ止みてより暮早し
蓑虫や捨てきし夢の二つ三つ
朝の日や一村並べて柿畑 (三重県玉城町蚊野)
点もるごと杉の木立の間に紅葉 (京都市大原 三千院)
襖絵の山水淡し照紅葉 〃
落日に彩失へり紅葉山 〃
夢捨てて青春終る懐手
一望の枯木となりぬ柿の村 (三重県玉城町蚊野)
短日の市場弾むは小半時 (伊勢市浦之橋商店街)
鯉遊ぶ瀬に散紅葉散紅葉 (伊勢神宮内宮 五十鈴川)
尾根に出て空より風の枯木山 (伊勢市蓮随山)
年越の湯屋に残れる客二人 (伊勢市内 常磐湯)
年行けり我にすべなく妹病めり
看護婦の常の貌なり年越す夜 (伊勢慶応義塾大学病院)
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