« ★俳句寸感 <京都行 ひまわりさん> (のぶ) <2005/05/07> | トップページ | ★①菖蒲あや氏 追悼 <2005/05/25> »

2006年1月26日 (木)

★②菖蒲あや氏 抜粋句 <2005/05/24>

秋刀魚焼く煙の逃くるところなき
路地ぐらし丸見え簾吊ろうがつるまいが
どの路地のどこ曲つても花八ッ手
ひとり身の灯を消し白き夜の団扇  
寒雷や地べたに座り炭ひけば
春を待つ何も挿さざる壷円く
柿をとりつくして天を淋しくす
仏法僧啼きゐることに寝を惜しむ
海の色に朝顔咲かせ路地ぐらし
西瓜喰ふ中年の膝丸出しに
姿見に全身うつる湯ざめかな
   
浅蜊に水いつぱい張って熟睡す
乳房ある故のさびしさ桃すすり
わが露路でつまづく寒に入りにけり
更けし夜の螻蛄に鳴かれて金欲しや
二階より見えて夜明けの夾竹桃
今生に父母なく子なく初天神
ひとり身の日傘廻せば遠くに森
酉の市行かず仕舞の水仕事
母恋し壁にかこまれ風邪に寝て
焼酎のただただ憎し父酔へば
路地の子が礼して駆けて年新た
   
雪だるまよつてたかつて太らしむ
昏れ際の露地に豆腐屋一葉忌
たんぽぽのまぶしく勤めいやな日よ
十五夜の工場鉄扉とざしたる
三色菫コップに活けて退職す
種なしの葡萄を喰みて何か不安
貼り替へし障子の中に寝過しぬ
おしろいが咲いて子供が育つ路地
路地染めて何をもたらす寒夕焼け
スキー帽かぶり糠味噌かき廻す
母と子の生活の幅の溝浚ふ
   
白粉花の風のおちつく縄電車
初夢の中でも炭をかつぐ父 
身一つの旅街角にさくらんぼ
凩を連れて帰るよひとりの部屋
壬生狂言に笛が加はり眠くなる
花街の昼湯が開いて生姜市
打ち水を大きく伸ばし路地に老ゆ
老いゆくは吾みならず飛花落花
サルビアを咲かせ老後の無計画
恋猫に水ぶつかけて路地に老ゆ
鶏鳴に起され四月はじまりぬ

| |

« ★俳句寸感 <京都行 ひまわりさん> (のぶ) <2005/05/07> | トップページ | ★①菖蒲あや氏 追悼 <2005/05/25> »