« ★ 余寒 | トップページ | ★ 鳴雪忌 »

2006年2月17日 (金)

★ 西行忌

image36
 暖かい日が続きますが、週末にはまた冷え込みそうです。
 一昨日2月15日は『西行忌』ですね。享年73歳でした。歳時記に2月15日と載ってはいますが旧暦での事ですから、新暦に当て嵌めると今年の場合3月14日となります。
「新古今和歌集」などで皆さんもご存知の平安時代の旅の歌人ですが、芭蕉が終生敬愛し憬れた歌人ですから俳人にとって最も近しい歌人なのでしょう。


        願はくば花の下にて春死なむそのきさらぎの望月の頃


と釈迦入寂の2月15日頃に没したいものだと詠み、この歌の通りに亡くなった事から西行崇拝が往時の全国に広がったとの話はあまりにも有名です。
 

        花あれば西行の日とおもふべし  角川源義


 西行忌を詠んだ俳句では、「願はくば…」の西行の歌を踏まえて詠んだ角川源義の句をまず思い浮かべます。

 松尾芭蕉が

        旅人と我名よばれん初しぐれ
        野ざらしを心に風のしむ身かな


等と詠んで旅に後半生を委ねたのも西行の生き様 和歌に憬れての事である事はよく知られていることですが、それだけに西行の和歌にちなんだ句を芭蕉は多く残しています。

 西行の和歌とそれを踏まえて詠んだ芭蕉の俳句の内から私の身近な伊勢と吉野で詠まれたものを併記してみます。

 まず伊勢での句

       何事のおはしますかはしらねどもかたじけなさに涙こほるる  西行
       何の木の花とは知らず匂哉  芭蕉

       吹きわたす風にあはれをひとしめていづくもすごき秋の夕暮  西行
       秋の風伊勢の墓原なほ凄し  芭蕉


 芭蕉は伊勢に5度以上訪れています。西行は伊勢に2年程庵を結び住んでいて、二見の近くに「西行谷」の地名が残っています。

 西行が一番愛したのは吉野と桜にて3年間過ごして多くの句を残し、芭蕉も西行を慕って数度訪れています。


        み吉野の山の秋風さ夜ふけてふるさと寒く衣うつなり  西行
        碪打ちてわれに聞かせよ坊が妻  芭蕉

        とくとくと落つる岩間の清水くみほすほどもなきすまいかな  西行
        露とくとく心みに浮世すすがばや  芭蕉

        吉野山こぞの枝折の道かへてまだ見ぬ花の花を尋ねむ  西行
        よし野にて桜見せふぞ檜の木笠  芭蕉


 (掲載写真は2年前に吉野を訪れた折に撮った「吉野山…」の西行歌碑です)

| |

« ★ 余寒 | トップページ | ★ 鳴雪忌 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。