★岡本眸先生 各誌新年号詠

岡本 眸先生
各総合俳句誌平成18年1月号掲載句のご紹介です。
【 俳句研究 】
風の木
残る葉の葡萄棚らし枯れいそぐ
風の木に見えて刻過ぐ冬夕焼
覚えなき書込みひとつ古暦
道白く陸橋なせり冬の晴
花買ふて冬日もろとも抱へけり
藪巻や湖上の星の出揃ひし
友等若し焚火囲めば胸の照り
枯深き日射しに噎せてをりにけり
石蕗の黄や去年病みてより旅遠く
我にあと幾たびの冬葛湯溶く
【 俳句 】
冬日
枯草を紙縒のごとく指に巻く
胸もとに冬日溜まれば噎せにけり
土地の子に道聞くひまも暮れいそぐ
十字路に冬の満月パン買ひに
マンションの柱状灯る夕しぐれ
裏道と呼び慣らされて霜の菊
星寒し今年喪ひしひと幾人(いくたり)
文具屋に子と混じりをる年の暮
【 俳句朝日 】
枯深し
歌ごゑのごとく八つ手の咲き揃ふ
枯深し足向くままの道なれど
ゆふやけの一部始終を冬の崖
街川に朝の日跳ねて年詰まる
冬ごもり机上の夕日またたく間
外灯にひかる靴先坂の冬
回想
年の夜の鼠入らずの前に母
破魔矢もて星指してふと遠き日を
一月六日
生まれし日の崖に対へり息白く
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