★ 立子忌 (雛忌)
暖かい日が続きます。 今朝は曇り空で始まりましたが昼前から晴れて、いつもの室温計も午後になって16.5℃を指しています。
今日3月3日は雛祭。
そして立子忌です。 雛忌(ひなのき)とも。
高浜虚子の次女 星野立子の昭和55(1984)年の忌日です。 80歳にて没。
星野立子は明るく柔らかな句風にて花鳥諷詠の一分野を形成した俳人と言われ、虚子は『純粋な情感の天地に住まっている立子の句は自然が柔らかくその懐にとけ込んでくるように感ずる』と評しています。
また山本健吉は名著「現代俳句」で『ありふれた日常語の使用や軽い口語的発想は、立子の一つの特徴をなすもので、虚子の句が持っている即興詩的一面を、立子は承けついでいると言えよう』と述べています。
山本健吉はその「現代俳句」で正岡子規から永田耕衣まで42名の俳人を取り上げていますが、その内女流俳人は 杉田久女、中村汀女、星野立子、橋本多佳子の4名に過ぎません。
俳句史上に於いて如何に星野立子を重要視していたかが窺えます。
以下に星野立子の句を少し挙げてみます。
昃れば春水の心あともどり
たんぽぽと小声で言ひてみて一人
美しき緑走れり夏料理
障子しめて四方の紅葉を感じをり
しんしんと寒さがたのし歩みゆく
大仏の冬日は山に移りけり
秋深きことにこと寄せ話すかな
朴の葉の落ちをり朴の木はいづこ
昭和5年に主宰誌「玉藻」を創刊しましたが、女流俳人が主宰誌を持つのは初の事でした。 「玉藻」は現在 立子の長女である星野椿氏が継承しています。
立子忌を終へし安堵に雪の降る 星野椿
.
| 固定リンク | 0
« ★ 旧正月と初春。 | トップページ | ★ 誓子忌 »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント