★ 高浜年尾忌
今日はしょぼしょぼとした雨の一日となりました。
昨日より更に冷え込んで、夕暮れの今 室温計は18.8℃を指しています。 この秋で一番低い気温かも知れません。
今日10月26日は俳人 高浜年尾の忌日です。 1979(昭和54)年没。
享年78歳。 高浜虚子の長男。 また星野立子の兄です。
大切な看護日誌や年尾の忌 坊城 中子
年尾忌の十月桜咲きそめて 山口青邨
月欠ける早さよ年尾忌も過ぎて 山田弘子
年尾は本名にて正岡子規が名付け親だそうです。
学生時代から俳句に親しみ、昭和13年に俳誌「俳諧」を主宰創刊。
芦屋市に住み関西俳句界の中心的存在でした
また昭和26年以降は「ホトトギス」の雑詠選者となり、 虚子より主宰を引き継ぎます。虚子の没する8年前の事でした。
< 高浜年尾 俳句抄 >
なつかしき父の故郷月もよし
六甲の端山に遊び春隣
山門をつき抜けてゐる冬日かな
竜安寺池半分の菱紅葉
咲き充ちてアカシヤの花汚れたり
又花の雨の虚子忌となりしかな
旅に出て春眠足りし思ひかな
妹がりの初句会とて五六人
師走はや心斎橋の人通り
青き踏む毛馬閘門のほとりまで
安国寺様の傘借り花の雨
紅葉冷えして下呂の湯は熱からず
皆去りぬ焚火育ててゐるうちに
遠き家の氷柱落ちたる光かな
凍江や渡らんとして人遅々と
カーテンの動いてゐるは隙間風
渤海の凍てし渚の忘れ汐
咲きそめて一輪久し冬椿
わが旅の紅葉いよ~濃かりけり
花びらの日裏日表紅蜀葵
立ち上る一人に揺れて船料理
鰭酒や逢へば昔の物語
菊枕かくて老いゆく人の幸
九頭竜に辣韮洗ひの屑流れ
桑海や大夕立あとなほけぶる
雛の間の更けて淋しき畳かな
八荒の波の昃りのうつりゆく
お遍路の美しければあはれなり
朝の間の 初凪とこそ 思はるる
時代祭 華か毛槍 投ぐるとき
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※ 星野立子については一昨年に取り上げました。
宜しければ下記タイトルをクリックの上 ご参照下さい。
↓
「立子忌 (雛忌)」
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コメント
読みました。Wikipediaでは「高濱年尾」と表記されて居ました。朝日俳壇の選者もやって居た様です。
投稿: まとし | 2012年7月11日 (水) 11:59