★ 三島由紀夫忌
昨日は久し振りに終日の雨でした。
今日は晴天で明けたものゝ、午後になって曇が多くなり照り翳りしています。13時半の室温計は17.5℃とここ暫くの内では暖かいほうですが、風もあり冬めく感じです。
11月25日は作家 三島由紀夫の忌日です。
1970(昭和45)年の今日、三島由紀夫が楯の会メンバーと自衛隊の市ヶ谷駐屯地に乱入し、自衛隊のクーデターを呼びかけて割腹自殺した事件はまだゝゞ生々しく記憶に残っています。享年45歳。
三島由紀夫は1925(大正14)年1月14日 東京生まれ。 本名 平岡公威(きみたけ)。 小説家・戯曲家。
昭和22年 東京大学法学部(旧制)を次席で卒業後、大蔵省事務官に任官。
しかし翌23年、「近代文学」の同人となり大蔵省を辞職。
昭和24年には『仮面の告白』を発表し 作家としての地位を早々と築きます。
『禁色』 『潮騒』 『金閣寺』 『豊饒の海』などにて日本を代表する小説家となり、戯曲では『サド侯爵夫人』 『わが友ヒットラー』 『近代能楽集』などが有名。
角川大俳句歳時記には三島忌・由紀夫忌・憂国忌と載っていますが、「貴族趣味の傾向があった三島は、俗の文芸である俳句にはほとんど関心を示していない」と触れていました。
埒もなき深夜のテレビ三島の忌 暢一
三島由紀夫に魅かれる俳人は多いようで、以下のように沢山の例句が見られます。
三島忌の赤きを愛す馬の鞍 磯貝碧蹄館
三島忌の朝つぱらから木枯しす 山田みづえ
三島忌や腐りやすきに國も亦 高橋睦郎
三島忌や空のプールに日の差して 片山由美子
三島忌の男美学の首飾 井沢正江
三島忌や造花の薔薇に棘のあり 内田美紗
三島忌の背をあづけたき樹もあらず 橋本榮治
おむすびの芯なにもなき三島の忌 橋本榮治
激流に紅葉且つ散る三島の忌 伴真澄
三島忌や書棚の奥の古日記 長田一臣
三島忌に爪の先まで酔ふてをり 北光星
三島忌や抜かれゆく血の五六本 岩田須磨子
三島忌の夕日晒しの蓮の骨 林香燿子
ぺーパーナイフ静かに使ふ三島の忌 雨宮きぬよ
文学館の絨緞赤し三島の忌 上野澄江
三島の忌顳酒の巡りをり 林省吾
三島忌や多弁の鸚鵡少しよごれ 上西兵八
ペン胼胝の上にペン胼胝三島の忌 田中忠子
三島忌の赤き布干す寺院かな 柿本多映
三島忌の帽子の中のうどんかな 攝津幸彦
落日を朝日とまがう由紀夫の忌 五島高資
松籟の闇にたかまる憂国忌 鷲谷七菜子
憂国忌列を乱してゐるは誰ぞ 八田木枯
定型詩ばかりのノート憂国忌 皆吉司
天☆に石のつぶてや憂国忌 磯貝碧蹄館
憂国忌朝より鵙を鳴かすべし 河野南畦
乃木坂をとよもす軍歌憂国忌 池上いさむ
少年の耳輪の揺れや憂国忌 黒川江美子
死に様の美学もありし憂国忌 藤田よしお
アロワナの鱗の微光憂国忌 堀安由記子
爆ぜさうな石榴の一つ憂国忌 近藤明美
黒板をねんごろに消し憂国忌 柏原眠雨
憂国忌止まつたままの砂時計 墳崎行雄
裂き織に赤の一すじ憂国忌 兵野むつみ
憂国忌ドールは瞳開きしまま 高島征夫
てのひらの白きはまれり憂国忌 秦夕美
憂国忌どこかで靴の音しきり 石崎素秋
かけちがふボタンどこまで憂国忌 増田史
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