★ 角川源義忌 (秋燕忌)
ここ数日続いた曇天雨天でしたが久し振りに晴天。 日中は風が強く吹きましたが、PCデスクの室温計は終日21℃台とここ半月ほど変わりありません。
今日 10月27日は角川源義の忌日です。 秋燕忌とも呼びます。
ぬか床のまだ生きてをり秋燕忌 角川照子
父の座に母隣りゐる秋燕忌 角川春樹
流木にまだ潮の香や源義忌 大木あまり
角川源義は俳人で国文学者、また角川書店の創業者にて総合俳句雑誌「俳句」を創刊し、蛇笏賞・角川俳句賞を創設するなど、現代の俳句界に最も大きな貢献をした人と言えるでしょう。
大正6(1917)年 富山県水橋町(現富山市)生まれ。
昭和23(1948)年 俳誌「河」創刊主宰し叙情性の恢復を標榜。
昭和40(1965)年 句集「西行の日」で第27回読売文学賞を受賞。
昭和50(1975)年 58歳にて没。 活躍盛りの早世だったのですねぇ。
句集は「ロダンの首」など5冊。
参考にした角川俳句大歳時記で「作風は概して重厚であるが、晩年は軽みを志向した」と評しています。 ただ私生活の面では家庭を顧みない奔放な性格だったようで何人も愛人がいたとか…。 また角川書店については十数年か前の子息同士のお家騒動的な話題がまだ記憶に新しいところです。
次の名句が一番よく知られています。
花あれば西行の日とおもふべし 角川源義
----------------------------------------------------
角川源義は、角川書店を継ぎながら平成5(1993)年に「コカイン密輸」事件で罪をえて獄中俳句を詠んだ角川春樹氏、そして新田次郎文学賞・大宅壮一ノンフィクション賞・現代短歌女流賞等を受賞した作家・歌人の辺見じゅん氏の父親でもあります。
角川源義の俳句結社「河」は源義亡き後を長らく夫人の角川照子氏が主宰を務め、平成18(2006)年より角川春樹氏が主宰継承していますが、今年の4月に「河」で獄中の折の事を詠んでいました。
獄中
初笑ひ両手でつかむ膝小僧 角川春樹
----------------------------------------------------
<角川源義 代表句>
篁に一水まぎる秋燕
ロダンの首泰山木は花えたり
鴨の声昏るるに早き水の上
月の人のひとりとならむ車椅子
何求めて冬帽行くや切通し
冬波に乗り夜が来る夜が来る
ふたなぬか過ぎ子雀の砂遊び
盆の海親知らず子知らず陽の没るよ
妻恋へば七月の野に水の音
ポインセチア愛の一語の虚実かな
風花や蹤き来てそれし一少女
金借りに鉄扉重しや夏至の雨
馬ひいて兵たりし街冬ざるる
桜紅葉しばらく照りて海暮れぬ
| 固定リンク | 0
この記事へのコメントは終了しました。
コメント