★ 飯田龍太忌
一昨日よりも昨日、昨日よりも今日と今週に入って仲春並みの暖かい日が続きます。 深夜の今でも我が部屋の温度計は18.5℃。 日中は恐らく20℃を越えていたことでしょう。 ちょっと異常ですね。
今日は 俳人飯田龍太の忌日です。
平成19(2007)年2月25日没。 享年86歳。
3年前とまだ記憶に新しく、尊敬する俳人の突然の訃報には衝撃を受けたものです。
その15年前の平成4(1992)年に主宰する『雲母』を唐突と言った感じで廃刊し、俳壇から身を引いてしまった後の去就を知ることが少なかった為に尚更でした。
<飯田龍太 略歴>
・大正9(1920)年7月10日 俳人飯田蛇笏 の四男として山梨県に生まれる。
・国学院大学卒業後 昭和37(1962)年10月、父 蛇笏が没し、『雲母』を継承。
・昭和32(1957)年 第一句集「百戸の谿」にて現代俳句協会賞受賞。
・昭和43(1968)年 第四句集「忘音」にて第20回読売文学賞受賞。
・昭和56(1981)年 日本芸術院賞、恩賜賞受賞。
・昭和58(1983)年 紫綬褒章受賞。
・昭和59(1984)年 日本芸術院会員。
・平成 4(1992)年 蛇笏没後30年を期に俳誌『雲母』を900号にて廃刊。
<代表句>
大寒の一戸もかくれなき故郷
一月の川一月の谷の中
雪の日暮れはいくたびも読む文のごとし
雪山のどこも動かず花にほふ
白梅のあと紅梅の深空あり
雪の峰しづかに春ののぼりゆく
黒猫の子のぞろぞろと月夜かな
いきいきと三月生る雲の奧
紺絣春月重く出でしかな
春の鳶寄りわかれては高みつつ
春暁の竹筒にある筆二本
春すでに高嶺未婚のつばくらめ
野に住めば流人のおもひ初つばめ
子の皿に塩ふる音もみどりの夜
抱く吾子も梅雨の重みといふべしや
かたつむり甲斐も信濃も雨の中
夕焼けて遠山雲の意にそへり
露草も露のちからの花ひらく
満月に目をみひらいて花こぶし
鰯雲日かげは水の音迅く
露の村墓域とおもふばかりなり
生前も死後もつめたき箒の柄
山河はや冬かがやきて位につけり
落葉踏む足音いづこにもあらず
手が見えて父が落葉の山歩く
父母のなき裏口開いて枯木山
ねむるまで冬滝ひびく水の上
本棚にある飯田龍太著・句集の書籍を捜してみたら6冊ありました。
一番新しいものでも平成2年発行ですから、どれも夢中で俳句関係の本を読み漁っていた初心の頃に買ったものですが、我が師 岡本眸先生以外では多い方かもしれません。 そう言えば最近は惹かれる著書に出会う事が稀で読む事も少なくなりました。
中でもお奨めは画像左端の『新編 飯田龍太読本』(俳句研究編集部 編)。
第一句集「百戸の谿」~第九句集「山の影」、そして「山の影以降」とほぼ全句集と、200頁に及ぶ随筆その他が収録されている大冊です。
今でも古書であればネットで購入出来ます。
但し本書は平成2年発行にて定価1800円でしたが、Amazonで調べてみると古書に5000円の値が付いていました。
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※ 飯田蛇笏忌については4年前に取り上げました。
ごく短い記事ですが、宜しければ下記タイトルをクリックの上ご覧下さい。
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★ 蛇笏忌 <2005/10/03>
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