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2004年7月30日 (金)

≪フォト俳句(50)≫7/30影蔭翳・伊勢市内

 俳句を詠む時に思案する事の一つに同義語の漢字の選択がある。先日あるところで影・蔭などの使い分けについて手元の資料やメモを参考にして書いた。
 俳句は僅か17文字の詩である。短いだけに文章を書くよりも漢字は微妙な使い分けをする。広辞苑を見ても影・陰・翳など一項目にてその微妙な使い分け迄は分からない。
 このページをご覧になって頂いている方々はある程度俳句に興味を持っておられると思うので、俳句を読む折りの参考迄にその時の文章に例句を添えてみた。
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◆影…
  ①物が光を遮って出来る暗い形

         雛の影桃の影壁に重なりぬ   正岡子規

  ②水・鏡に映る姿

         わが影に来て影添ふや岩清水  中村苑子

  ③日・月・灯などの光…この意味が紛らわしいので同意で
    「光ゲ(かげ)」を使う人もいるが、稀なので使わない方
    が無難。使う時はふりがなの要あり。

         月影に春の霰のたまり居り    原石鼎

◆陰…
  ①物のかげでみえない所。裏側。

         もの陰にめざめの遅き花八ツ手 山田冬園

  ②「日陰る」のように動詞で使う場合は暗くなるの意。

         丸の内三時の陰り秋の風     中村汀女

◆蔭…
  ①草木や物のかげ。

         緑蔭のふかければ蝶ゆるやかに 岸風三楼

  ②日光の当たらない所。

         蔭多きところを過ぎぬ揚羽蝶    山口誓子

◆翳…
  ①蔭で薄ぼんやりした感じを出したい時に使う。

         祷り石さまざま秋の翳もてり    渡邊恭子

  ②「山翳る」と動詞の時は比較的に大きな物がかげったり、
   それに覆われてかげになるとの意で使う。

         山翳るどこ通りても著莪の花    伊藤政美

◆昃る(かげる)…
  日が西に傾いてかげになるの意の時に使う。

         秋の沼昃りしばらく経てわれも    加倉井秋を

  (ひかげる)と読む事も多い。 
  
         昃れば春水の心あともどり      星野立子

 本来は「かたむく」が正しい読みにて「光ゲ」と同じく俳句独特
の読み方。これは結構使われている。
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 以上の使い分けは俳人によってかなり曖昧な場合もある。
 意味よりも漢字の持つ雰囲気で使う場合があるからである。


        片蔭をゆくや畳屋覗きもし  暢一 
              

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