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2006年2月の5件の記事

2006年2月25日 (土)

≪フォト俳句(206)≫2/25 商店街の犬(伊勢市内)

a-IMG_0637 時折題材に取り上げているが、近所に商店街がある。 
 伊勢市内の各商店街もご他聞に漏れず郊外の大型店に押されて衰退ぎみであるが、この商店街は大賑わいと迄いかないものゝ市内では唯一健闘している。 小さなショッピングセンターを中心として食料品や雑貨など最寄品を商う店を主とした昔ながらの雰囲気を持つ商店街だ。

 いつ頃からとは定かに覚えていないが、随分以前からこの商店街に犬が放されていて悠然と歩いたり寝そべったりしている時が頻繁にある。
 犬の事は詳しくないけれど ゴールデン・レトリバーだろう。 大型犬なので初めて遭遇する人や犬嫌いの人は怖がるが、慣れている人は幼い子供達でも抱きついて遊んだりして平気だ。
 犬の図鑑を見てみると 「性格は明るくておだやかで、辛抱強いため子供たちでも扱いやすい」 と載っていて頷ける。

 商店街に馴染みの通行人には人気もあり楽しい光景ではあるが、法律的な事や万一の事を思うと少し心配だ。

 
     土手を外れ枯野の犬となりゆけり   山口誓子

     
 犬を詠んだ句では山口誓子の掲句が最も有名であろう。 昭和20年44歳の時の作である。
 山口誓子は肋膜炎の療養の為に昭和16年から28年迄の12年間三重県の四日市市や鈴鹿市に居住した。その折の事だろうと思うが鈴鹿工業高等専門学校の校歌の作詞をしている。
 掲句の他に

        つきぬけて天上の紺曼珠沙華
        海に出て木枯帰るところなし
        炎天の遠き帆やわが心の帆
        万緑やわが掌に釘の痕もなし

等の俳句に親しむ人なら誰でも知っている名句の多くがこの地で詠まれている。 誓子はまた毎年の伊勢神宮初詣を欠かした事がなかった。伊勢神宮内宮前のおかげ横丁に誓子記念館が また赤福本店に句碑が建つ。 私にとって身近な存在の俳人である。

 
      春雨や犬が寝そべる花舗の土間  暢一

 
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                 <見出し写真のみ拡大可>

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2006年2月20日 (月)

≪フォト俳句(205)≫2/20 ③ 寄生木 (外宮神苑)

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 勾玉池からの帰りは外宮正面の火除橋の前を横切ってから木立中の小径を辿り、観光バス用の駐車場広場に出る。 その広場の向こうの裏参道である北御門から神路通りを歩いて月夜見宮経由で帰路につく訳だ。

 今の時期、この駐車場を通る折には何時も上を見ながら歩いている。
 枯枝に「寄生木」が大きな毬を作っているのだ。 青空に一部黄色く見える寄生木の様は中々面白いものがある。 常緑なのでクリスマスの飾りとして馴染みの植物でもある。
 
 植物図鑑サイトを見ると花期は冬とも春とも中には秋と記載しているものもあった。 実際は晩冬から春に黄色の小さな花が咲き後に金色の実が生ると云うのが正確なようであるが、遥か高みにあるので詳しくは観察出来なかった。
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 「寄生木」は「やどりぎ」と読む。 この名は寄生する木の総称だが、この木の固有名でもある。
 『ヤドリギ(寄生木) … ヤドリギ科  Last modified: Nov 25, 2003 。 別名:ホヤ,トビヅタ(飛び蔦)』と載っていた。 ケヤキやブナ等の落葉樹の大木に寄生する。

  あしひきの山の木末のほよ取りて
               挿頭しつらくは千年寿くとそ  大伴家持

 万葉集の歌であるが、「あしひきの(足引きの)」は山や峰等に掛る枕詞。 「ほよ(寄生)」は寄生木。 「挿頭し(かざし)」は字の通り頭髪に挿す。 「寿く(ほく)」は長寿を祈るとのそれぞれの意味にて、山の木末の寄生木を取って頭に飾り千年の長寿を祈ると詠んでいる訳だが、古来 寄生木には霊力のある宗教的なものを感じていたようだ。 枯木に生き々々と宿る寄生木の様から頷ける思いがする。

      寄生木やしづかに移る火事の雲   水原秋桜子

 「寄生木」だけでは花や実を詠み込まない限り季語と認められないから別に季語を斡旋して詠まなければならない。 掲句の秋桜子の句は寄生木を詠んだ句の中で一番知られているが、「火事」が冬の季語である。

           青空に金の寄生木冴返る  暢一

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                <左右の見出し画像拡大可>

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2006年2月15日 (水)

≪フォト俳句(204)≫2/15 ② ゆり鴎 (外宮神苑・勾玉池)

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 前回記事の勾玉池の鴨は例年よりも数がかなり少ないように思う。
 写真にも少し写っていた白い鳥が原因だろうと想像している。 「ゆり鴎」だ。長年に亘って勾玉池を訪れているが、ゆり鴎の飛来を過去に見た記憶はない。
 鴨は池面をゆっくりと漂っている感じであるが、ゆり鴎は常に群れて飛翔を繰り返し落着きがない。 誰かが餌を投げると鴨は泳ぎながら近づくが、ゆり鴎は一斉に飛び立って鴨よりも先に餌を食べてしまう。

     ゆりかもめ白刃となりて吾に降り来   大石悦子

 ゆり鴎は京都の鴨川などでもよく見られる冬鳥だが、昔 関東に下った京人が京の都を偲んで「都鳥」と呼んだ事から今でも関東の方ではゆり鴎の事を「都鳥」と呼ぶ事はよく知られている。 因みに東京都の鳥「都鳥」に指定されている。
 ゆり鴎は動きが早いので写真のピントが甘くなってしまった。

        ゆりかもめ群れ神の池鎮まらぬ  暢一

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                   <全画像拡大可>

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2006年2月10日 (金)

≪フォト俳句(203)≫2/10 ① 鴨 (外宮神苑・勾玉池)

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 伊勢神宮 外宮神苑の憩いの場「勾玉池」は伊勢市町中の中心近くにあり、私宅から徒歩20分程の距離にある。遠回りしながらの勾玉池迄の早朝散歩は時間的距離的に最適だ。
 と云っても七月生まれの私は冬季の早起きは苦手にて中々実行出来ないのだが、思い切って出掛けるとやはり無理にでも寒い中早起きをして勾玉池に来て良かったと思う。
 今までも各季節に勾玉池の花々をご紹介してきたが、この時期は山茶花が僅かに咲き残っているのみにて他のシーズンの華やかさは無い。
 その代わり勾玉池には毎年鴨の群れが飛来して春迄の池面を賑やかにする。
 (№17)でも取り上げたが、「鴨」は「鴨…冬」 「残る鴨…春」 「通し鴨…夏」 「初鴨…秋」と春夏秋冬それぞれの季語に登場する。季語の中でも珍しく他の鳥では知らない。
 また「浮寝鳥」は冬の季語にて水鳥(これも冬の季語)の浮いたまま眠っているように見える様を言うが、鴨の事を指す事も多い。
 
    鴨の声昏るるに早き水の上  角川源義

 掲句の作者である角川源義氏(1917~1975)はご存知の方が多いであろうが、角川書店創立者にて又一家をなした俳人である。 角川書店を継ぎながら麻薬関係で罪をえて獄中俳句を詠んだ俳人角川春樹氏、作家の辺見じゅん氏の父親でもある。
 角川源義氏の俳句結社「河」は源義氏亡き後を長らく夫人の角川照子氏が主宰を務め、近年角川春樹氏が継承して活動している。

    神の守る勾玉池や浮寝鳥  暢一
         
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2006年2月 5日 (日)

≪フォト俳句(202)≫2/5 ⑧注連飾(伊勢市内)

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 2月に入ってもまだ新年の話題が続いて申し訳ないが、左の写真は我が家の「注連飾」の新・旧である。
 大晦日に玄関の古い注連飾を外し新しいものに付け替えた折に撮った。
 伊勢地方の住人には当然の風習だが、以外の地域の方々は奇異に思うであろう。正月が過ぎたら普通は取り外す注連飾を伊勢志摩地方では一年中厄除けとして飾っておくのである。
 詳細を一昨年の大晦日の(№100)でも記事にしたのでご覧頂きたい。

 そこで今回は一昨年の記事では触れなかった話題を少し記してみる。
 写真でもお分かり頂けるように注連飾には「笑門」「千客萬来」 「蘇民将来子孫門」等々の木札が付いているが、この木札を「門符」または「桃符」と呼ぶ。「桃符」は昔 桃の木で作った事から付いた呼び名である。今は檜が一般的らしい。

 また(№100)で由来を説明した門符の文句 「蘇民将来子孫門」の蘇民とスサノオノミコトの事は二見町の民話であり、夫婦岩を過ぎてすぐの所に「民話の駅 蘇民」と名付けた道の駅が設けられている。

        女手に注連飾打つ音きこゆ   日野草城

 写真一番上の右端が伊勢地方の民家の注連飾と門松を取り付けた一般的な玄関の姿であるが、左右の門松は七日に取り外し、注連飾はそのまま一年中飾っておくのだ。
 他の写真のように呉服店も居酒屋も銀行までも然りである。
 新旧取り混ぜてであるが、様々な注連飾を載せてみた。

        藁にほふ門の出入りや注連飾  暢一

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                   <全画像拡大可>

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