« 春の雲  (句評)   | トップページ | 紫陽花  (句評)   »

2006.01.26

梅雨に入る  (句評)  

          伊勢平野大きく梅雨に入りけり   加藤暢一


 伊勢湾の海岸沿い、伊勢平野は長く特に志摩半島は広がりを持つ。
 旅の車窓より見る田園風景は梅雨期に入ったのである。伊勢神宮に象徴されるこの景は、神々しく重厚な大気と豊潤な大地である。
 因みに日本一降雨量の多い尾鷲市も在り、半端でなく即ち大きく梅雨が到来するのである。
 これより一ヶ月余り、作者は勿論のこと、農漁業に携わる人々の骨折りや、住む人々の生活の覚悟もうかがえる。
 格調高く詠い上げ伊勢平野が揺るがない。               
                                        (小島みつ代氏) 1998

« 春の雲  (句評)   | トップページ | 紫陽花  (句評)   »