神無月 (句評)
寺を訪ひ教会を訪ひ神無月 加藤暢一
初冬の多治見。東海支部長の都筑典子さんと作者のほか会員一同で計画した永保寺と修道院での吟行。
永保寺を川沿いに少し歩くと男子修道院がある。
敷地一帯が葡萄園になっていて聖堂の地下室には大きなワイン倉があったりする。
掲出句は<教会>と<寺>というモノがそのまま並置され端的、率直な詠法で自由自在な詩となっている。
素材の新旧は意識の外、感受した鮮度を目前の景として表現し得た、若々しい作品である。
(高橋さえ子氏) 2002