河骨 (句評)
花咲いて河骨と知る通ひけり 加藤暢一
スイレン科の多年草の河骨は、沼地や小川に長卵形の葉を密生させる。 盛夏になるとその葉の中から実に鮮やかな直径二センチほどの黄色の花を上向きに咲かせる。
ああこれが河骨の花か、と加藤暢一さんは感動する。 そして暇が出来ると見に行くことになる。
下五の (通ひけり) の転換が句を心地良くする。 河骨は男にとっては可憐な花である。
(青山丈氏) 2007