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2009年9月の5件の記事

2009年9月30日 (水)

曼珠沙華(彼岸花)・狐の孫・露草 <九月の勾玉池(伊勢神宮外宮)>

 久し振りに28日かなりの雨が降りました。 昨日29日も夕方から雨。 今日30日も三重県南部は終日雨との予報ですが、昼下がりの今になってやっと降り出しました。 
 農家の知人は夏からの少雨に困り果てていましたから、秋雨前線が居座ってくれたと喜んでいますが、もう一降り本格的な雨が欲しいところでしょう。 

 昨日29日、巨人V9時代の名二塁手土井正三氏の葬儀がありましたが、参列した川上監督をはじめ当時のナイン達の今の姿をニュースで懐かしく拝見致しました。
 巨人の連続9年日本一達成は1965(昭40)年~1973(昭和48)年の間の事でしたが、その当時私は関西在住にて大学生そして某通信機器会社員の頃でした。
 巨人阪神戦が一番盛り上がっていた頃ですが、周りは皆さん阪神フアン。 巨人フアンであった私はそれを隠していましたが、居酒屋でテレビの中継を見ていて巨人が阪神にサヨナラホームランで勝った時、つい歓声を上げて拍手してしまい袋叩きにあいそうになった事も今では懐かしい思い出です。

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 前回の勾玉池伊勢神宮外宮)の続きです。 
 前回はが中心でしたが、今回は曼珠沙華。 全て9月22日に撮影したものです。

     ゆふぐれに少年泣けり曼珠沙華  暢一

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        曼珠沙華さめたる夢に真紅なり  橋本多佳子

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              曼珠沙華抱くほどとれど母恋し  中村汀女 

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 彼岸花とも呼びますが、これは和名。 彼岸の頃に咲くからとは周知の事ですが、この花の呼び方の方言・異名は実に数多く、400ほどとか1000以上とか…。
 歳時記その他で見つけたものを幾つか列挙してみると『狐花・死人花・天蓋花・幽霊花・三昧花・捨子花・したまがり・まんじゅさげ・地獄花・剃刀花・はっかけばばあ』等ですが、イメージの悪い語ばかりですね。

               彼岸花平家谷には赤すぎる  暢一

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      曼珠沙華あればかならず鞭うたれ  高浜虚子

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        仏より痩せて哀れや曼珠沙華  夏目漱石

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            われにつきゐしサタン離れぬ曼珠沙華  杉田久女    

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 曼珠沙華は毒性のアルカロイドを含みますが、鱗茎は澱粉が多くすりつぶして水にさらせば食用になります。 貝原益軒が飢饉時の非常食として利用する為に畦に植える事を薦めたそうです。 今でも畦に多く咲くのはその名残りなのでしょうね。 また墓地にも多いのは毒性を利用して鼠などを防いだ為と言われます。

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       西国の畦曼珠沙華曼珠沙華  森澄雄

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       曼珠沙華恙なく紅褪せつつあり  富安風生

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              つきぬけて天上の紺曼珠沙華  山口誓子

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 曼珠沙華は中国原産ですが、日本に渡来したのは有史以前らしい。
 手元の歳時記によると、曼珠沙華の名は法華経の一節 「摩訶曼陀羅華曼珠沙華」 からにて、サンスクリット語(梵語)で「赤い花」を意味する。 また別の歳時記には 「天上に咲く花」を意味すると載っていました。

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       曼珠沙華浄土の雲に紅移す  平畑静塔            

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       むらがりていよいよ寂し曼珠沙華  日野草城 

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                     曼珠沙華咲き親不知歯痛み出す  岡本眸     

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       野にて裂く封書一片曼珠沙華  鷲谷七菜子

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            ゜・。。・゜゜・。。・゜゜・。。・゜゜・。。・゜゜・。。・゜゜・。。・゜

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 同所に咲いていた小さな小さな花。
 図鑑を調べたら、狐の孫と云う面白い花名でした。 キツネノマゴ科キツネノマゴ属。 

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  東南アジアに分布するそうですが、日本では本州以西に分布する在来種。

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            ゜・。。・゜゜・。。・゜゜・。。・゜゜・。。・゜゜・。。・゜゜・。。・゜

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 露草です。 ま~珍しくもない平凡な花ですが、狐の孫の隣りに咲いていたので序でに…。
 半月ほどの花期しかない曼珠沙華と違って、6月初旬から10月下旬頃まで咲いている実に花期の長い花ですね。 夏の早くから咲き出しますが歳時記では秋の季語となっています。

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          露草に跼みて空を感じをり  岡本眸

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            ゜・。。・゜゜・。。・゜゜・。。・゜゜・。。・゜゜・。。・゜゜・。。・゜

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 勾玉池正面の休憩所。 撮影した9月22日はシルバーウィークの5連休の半ば。 
 いつになく観光客で賑わっていました。

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 平成25年完工の御遷宮のPR効果もあって伊勢神宮への観光客は増えているようですが、伊勢市街地に位置するこの外宮も数年前より賑やかになってきました。 
 また「伊勢神宮125社巡り」を推進している効果もあるのでしょう。

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                                                   (№310)

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2009年9月28日 (月)

萩(山萩・白萩)・菱・百日紅 <九月の勾玉池(伊勢神宮外宮)>

 例年になく涼しい9月でしたが、ここ一週間ほど少し暑さを覚える日が続きます。 
 今日(9/27)も深夜にかかわらずPCデスクの温度計は27.6℃を指しています。

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 上の画像は9月10日の勾玉池。 
 伊勢神宮 外宮神苑にあり、名の通り勾玉の形に広がっています。

 下の画像は9月1日の勾玉池。 
 が池面をびっしりと埋め尽くしていましたが、この10日の間に取り除いたようです。 

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 序でに百日紅(さるすべり)の花を写しこんだ画像も。
 百日紅は咲き出す時期から夏の季語になっています。 でも盛りは8月の立秋後。 9月に入っても咲き残っていますから、秋の季語のほうが相応しいような気がします。

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 9月10日です。
 パラソルの立つ所は花菖蒲の田ですが、園丁が手入をしていました。

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 池畔に一株の山萩が咲いていました。 (9月1日)

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        一家に遊女もねたり萩と月  松尾芭蕉

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              紅萩に見るむらさきやそこら冷ゆ  渡辺水巴

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 勾玉池の奥のほうに咲いていた白萩。 山萩も少し見えます。
 こちらは9月22日の撮影にてちょうど盛りのようです。 1日や10日の折はまだぽつぽつとしか咲いていませんでしたから、薄暗い木下の為に少し遅いのかもしれません。

       旅なれや歩みをゆるく萩白く  暢一

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       萩散つて地は暮れ急ぐものばかり  岡本眸

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 前回の葛の花にて触れたように、秋の七草の一つですね。
 豆科・ハギ属の総称にて種名ではありません。 確かに豆の花とよく似ています。 

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        りんりんと白萩しろし木戸に錠  三橋鷹女

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 また「萩」の字は日本で作られた国字です。 国字は訓読みのみで音読みがほとんどありませんが、「萩」もそうですね。

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       萩の風なにか急かるる何ならむ  水原秋櫻子

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 池畔の所々に曼珠沙華も咲いていました。 
 次回はこの曼珠沙華を中心にご紹介したいと思っています。

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2009年9月23日 (水)

秋分の日。 秋彼岸(榊の実・花)。 葛の花。 (一誉坊墓地)

 今日は秋分の日。 時に日射しが見られたものゝ曇り勝ちの一日でした。 いつもの室温計は日中で27℃半ば、深夜の今は26.5℃ですが湿度の高い為か少し蒸し暑く感じます。

        嶺聳ちて秋分の闇に入る  飯田龍太

 秋分の日は赤点・黄点ともに180度を通過する為に、太陽は真東から出て真西に入り 昼と夜の長さが等しくなります。 今日からは夜が長くなっていきますが、その事から 「夜長」 は秋の季語になっています。

        唐突に体操などをして夜長  暢一

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 秋分の日を中日として その前後3日間ずつの7日間が秋の彼岸ですが、春分の日前後7日間の春の彼岸と同じですね。
 俳句に詠む場合、「彼岸」だけでは春の彼岸を指します。 ですから秋の彼岸は 「秋彼岸」 「後の彼岸」 等と表現しなくてはなりません。 

      地の罅によべの雨滲む秋彼岸  岡本眸 

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 我が家は神式ですので墓前に供えるのはです。 仏式では樒を供えますね。 冒頭画像の右上に小さく写っているお墓も榊を供えていますから神式のお墓と云う事が分かります。

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 お供えした榊は実をつけていました。 榊は椿科ですからやはり椿の実をごく小さくしたような形です。 「榊(サカキ)」は古来より神事に用いられてきましたが、「神と人の境の木→境木」が語源と聞けば頷けます。

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 榊の花です。 6月頃に咲きます。 以前撮影した記憶があるのですが捜しても見つかりませんでしたので、「季節の花 300」さんより画像を拝借致しました。

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 プロかアマチュアか恐らく将棋士として活躍された方のお墓なのでしょうね。 遺族の方のお気持ちが好ましく窺えます。 そう云えばこの一誉坊墓地には8月16日にご紹介した名投手沢村栄治の野球ボールを模ったお墓もあります。


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 墓地への路地で見掛けた廃屋。 葛の葉で覆い尽くされていました。

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      あなたなる夜雨の葛のあなたかな  芝不器男 

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            葛の葉の葛であることいやでいやで  田邊香代子

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 葛の花秋の七草の一つ。 秋の七草とは「萩・薄・葛・撫子・女郎花・藤袴・桔梗」を言いますが、他は皆楚々とした雰囲気なのに葛のこの逞しさには驚きます。
 しかし葛の根は葛粉、葛の茎は丈夫な葛布、葛の葉は牛馬の飼料、その他薬用など、昔はとても有用な植物でした。

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        葛咲くや嬬恋村の字いくつ  石田波郷

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 記事中で触れた名投手沢村栄治のお墓については、以下をクリックの上 ご参照下さい。
           ↓
   ‘送り盆。 沢村栄治墓。 ポンプ井戸(伊勢市内 一誉坊墓地)。’
                                                   (№308)

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2009年9月18日 (金)

秋夕焼 (浦之橋商店街)

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 昨日は素晴らしい秋晴れでしたが今日は曇天。 PCデスクの温度計は今 25℃、正午に見た時も25.6℃でしたからこの秋になって一番低い気温です。

 夕方 窓が妙に赤い感じなので外に出てみると空一面の夕焼け。 
 早速 カメラを手に近所の浦之橋商店街へ。 この通りは西の方に向かって長く伸びているので建物に邪魔をされる事無く西空が撮り易いからです。 また商店街や車との対比も趣があります。

 17時56分から18時7分迄の僅か11分間の撮影です。

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        秋夕焼旅愁といはむには淡し  富安風生

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                      鷺たかし秋夕焼に透きとほり  軽部烏頭子

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 本ブログに掲載する画像は正直言って色や明るさを補正して鮮やかに見せる事もありますが、この夕焼けの画像は全て補正せずに撮影したそのまゝに掲載致しました。 変化が分かり難くなりますからね。 

        秋夕焼待つ人あれば足早し  暢一 

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        渤海の秋夕焼やすぐをはる  加藤楸邨         

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              看取りにも終る日のあり秋夕焼  今井千鶴子

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 今日 9月18日は俳人石井露月の忌日です。
 正岡子規と親しく日本派俳壇の中心となった俳人ですが、のちに帰郷して医院を開業、また俳句誌「俳星」を創刊して子規俳句を広め東北地方の重鎮として活躍しました。
 3年前ですが「俳句俳話ノート」にて記事にしています。 宜しければ下記をクリックの上 ご覧下さい。
        ↓
     ‘ 露月忌 ’
                                        .

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2009年9月 1日 (火)

初秋の桜・珊瑚樹の実 (伊勢神宮外宮・勾玉池)

 今日から 9月。 暑さ厳しい中にも吹く風に草木に初秋を実感出来る時期となりました。
 しかし今年の残暑は例年よりも凌ぎやすく、秋の気配の訪れも早いような気がします。 

 昨日 関東を襲った台風11号は被害少なく通り過ぎたようで何よりでした。 
 なんら影響のなかった伊勢ですが、今日は台風一過のような感じの晴天です。
 昼下がりの室温計は31.6℃を指していますが 心地好く風の抜ける我が部屋は快適です。

      今朝九月草樹みづから目覚めゐて  中村草田男

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 伊勢神宮外宮の参道西口、北御門前の桜の樹
 数日前、朝の散歩に出掛けた折に撮影した画像ですが、青葉の中の黄葉が美しく目を惹きました。 初秋ならではの桜の樹ですね。

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 伊勢神宮外宮神苑の勾玉池畔の桜の樹。
 先程の桜は染井吉野でしたが、これは山桜

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 下の画像は同じく勾玉池畔。 染井吉野の樹です。 
 少し黄葉が見えだしたものゝ まだゝゞ青葉が美しい。 

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 勾玉池の入口に紅い実をつけた樹が聳えています。
 珊瑚樹(サンゴジュ)です。


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 正面参道に通じる小径にも。 外宮神苑のそこここで見られます。
 成長が早い事から防火樹として神社等に多く植えられているそうです。 
 珊瑚樹は6月頃白い小花が咲き 10月頃に実をつけると歳時記に載っていますが、伊勢では8月中旬頃にはもう赤い実が目につき出します。

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               珊瑚樹や神事の列の白衣装  暢一          

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 珊瑚樹の花です。 今年の6月8日に撮りました。 花の咲く時期は歳時記の記載通りです。
 俳句に詠む場合、「珊瑚樹」 だけだと実を意味します。 花を詠む場合は「珊瑚樹の花・花珊瑚」 などと表記しなければなりません。 紫式部と同じですね。

         珊瑚樹の実の照り伊勢の国ゆたか  鷹羽狩行
         ひとりいる珊瑚樹の蔭うす冥い     高澤晶子
         花珊瑚井蓋にくらき水ひびく       角川源義

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 真っ赤にたわゝに実った珊瑚樹を3年前にご紹介した事があります。 宜しければ下記をクリックの上 ご覧下さい。
              ↓
    ≪フォト俳句(249)≫9/10 珊瑚樹 (坂社)

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